10年目

このところ桂枝雀さんの記念番組が放送されてます。
私は亡くなられる少し前くらいに見た高座が最初で最後になりました。
米朝師匠との親子会だったと思います。
何がかかっていたのか演目はもう失念してしまったのに、
間道縞の着物の趣味のよさが記憶に残っています。

小米時代から枕に人工衛星を語るインテリ噺家として有名で、
また所作や表情の奇矯さでも人目を引きました。
けど船場辺の大家の御寮さんなんかもよくうつって、
江戸の志ん生、文楽といった名人たちの粋とはまた違う、
上方風のはんなりした品のよさがありました。

「貧乏神」「茶漬えんま」｢住吉駕籠」「胴乱の幸助」「宿替え」、、、、
ストーリーも語り口も知っているのに、何度聞いても楽しめます。

南光さんをはじめお弟子さんたちが今も師匠を慕う姿を見ると、
師弟関係というのはこうありたいものだと思わされます。